代表です。
とても久しぶりです。
なかなか書けずにいてすみませんが、今年こそblog更新を増やそうと考えています。
新型コロナのほうも春からは感染症法(正確には「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」といいます)の2類相当から5類になると言われていますね。
ようやくという感もありますが、一方で更なる医療逼迫に繋がらないことを祈りたいところです。
話題のChatGPT
なにそれ?という方もいるでしょうが、AIベースの言語処理ツールです。
コンピュータとの対話というと非常にぎこちなかったり、紋切り型の応答しかできないんじゃないの?という印象をお持ちの方も多いですよね。私もそうでしたが、これは全く違います。
その凄さは…例えばこの記事をどうぞ。
自然な会話ができることがわかります。
映画「2001年宇宙の旅」に出てきたスーパーAI「HAL9000」を思い起こさせるじゃないですか。
言語も英語だけでなく、日本語での対話も可能ですので、IDを作ったら、サイトの英語に負けず(笑)果敢に日本語でチャレンジしてみましょう。
そんなChat GPTを私が知ったのが昨年の年末。色んなことをパッと答えてくれるので面白く思って会話していました。実際どんな質問にも対応するぞ、という感じでしたが、年末といえばミステリー、ということで2022年の日本人作家によるお勧めミステリーを教えてくれと尋ねたところ返ってきたのがこちらです。
おぉっと一瞬思ったのですが、山田詠美さんの作品を形容するのに「スリリングで、読んでいてハラハラすることがあります」は正しいかなあ?
そもそも「呪われた家」なんて作品ある?貴志祐介さんの「黒い家」みたい。。。
さらに松本清張?あれ?かなり前に亡くなったような…(1992年に死去されています)
と疑問を持ち、実際に調べるとすべてデタラメでした。
ひどい、と思って「デタラメを挙げていませんか?」と問うと、
とのことで、一応は謝ってくれましたが、最初は自分が正しいと開き直っているし微妙な応答。松本清張氏の没年も間違っています。
ChatGPTに発達障害支援を問うてみる
答えをすべて信頼してはいけない!と心に誓いながら、そんなChatGPTさんに発達障害支援について問うてみることにしました。
今後、これに限らずAIに何事も聞く機会は増えるはずで、その中でも医療情報はとてもニーズの高い領域なはずです。
正しいと思える答えが返ってくるのか、現時点での検証をしたいと考えたのです。
Q1. 発達障害とはなんですか?
(以下グレーで示された部分がChatGPTによる回答です)
発達障害とは、生後期から成長するにつれて発達する能力に異常があることを指します。発達障害は様々なタイプがあり、言語、社会、知覚、学習、運動能力に影響を与えることがあります。最も一般的な発達障害は、自閉症スペクトラム障害です。
ちょっと微妙な答えです。
「発達する能力が異常」というよりは「発達する能力に得意・不得意の極端な偏りが生じる可能性があります」といった表現に直したいところです。
Q2. 発達障害支援に必要なことはなんですか?
発達障害支援に必要なことは、それぞれの発達障害のタイプによって異なりますが、一般的には以下のことが挙げられます。
- 早期発見: 早期に発達障害が発見され、適切な支援が行われることで、発達障害が進行しないようにすることが重要です。
- 適切な診断: 発達障害のタイプを正確に診断することで、適切な支援が行われることができます。
- 臨床的な支援: 臨床心理士や療育士などの専門家による支援が必要です。これにより、発達障害の治療計画を立てることができます。
- 教育的な支援: 発達障害の子どもたちは、通常の教育システムだけでは対応できないことがあるため、特別支援教育が必要です。
- 家族の支援: 家族は子どもの発達障害に対処するために大きな役割を担うため、家族への支援も重要です。
- 社会的な支援: 社会的な支援は、発達障害の子どもたちが社会と共に生きるために必要です。
なかなか頑張ってくれたと思います。
ただ、下線部、「発達障害が進行しないように」とか「特別支援教育が必要です」などは表現として妥当ではなく、「療育士」という単語も聞き慣れません。
全体にややぎこちない印象がしたので、これは日本語のためか?と思い、英語で質問してみました。
Q3. What kind of help do they need for autism spectrum disorder and ADHD?
答えは長かったので画像でどうぞ.
こちらはなかなか良いまとめに感じます。というかまとめとしてはとても参考になります。
言及されてるIEPはIndividualized Education Program(個別学習計画)のことで、アメリカではすべての障害をもつ児童に対して策定されることが連邦法で義務付けられている(はず)です。
日本語にして欲しいのでお願いしてみました。
Q4. Please translate your previous answer into Japanese.
自閉症スペクトラム障害(ASD)と注意欠陥/多動性障害(ADHD)は異なる病気ですが、どちらも同様の支援が必要です。
ASD の人に必要な支援には、以下が含まれます。
- 早期介入:早期の発見と介入は、ASD の人の結果を大幅に改善することができます。
- 行動療法:応用行動分析(ABA)やその他の行動療法は、コミュニケーション、社会交流、適応行動の改善に有効であることが示されています。
- 話し言葉療法:ASD の多くの人はコミュニケーションに困難を抱えるため、話し言葉療法は有益です。
- オコパ治療:オコパ治療は、ASD の人が細胞質スキル、自己ケアスキル、感覚処理を改善するのを助けます。
- 教育支援:特別支援教育サービス、個別教育プラン(IEP)などは、ASD の人がカリキュラムにアクセスし成功するのを助けます。
ADHD の人に必要な支援には、以下が含まれます。
- 薬物療法:リタリンやアデロールなどのステミュラント薬物は、注意力を改善し、過活動や衝動性を減らすことができます。
- 行動療法:行動療法は、ADHD の人が症状を管理するための戦略を学ぶのを助けます。
- 教育支援:特別支援教
どうでしょうね、かなりぎこちない上に、下線部のようなわけのわからず、和訳でもない答えも登場しました。
オコパ治療ってなんですか??
Occupational therapy = 作業療法を訳し間違えたのでしょうが...
また、ADHDに関しては日本で使われていない薬物が挙げられ(訳なのでしょうがないですが)、途中で終わってしまいました…
ChatGPTは発達障害支援の応答にどれくらい使えるのか?
実は他にも色々聞いてみたのですが、
- 英語のほうが情報量が多く、全体に正確性が高い
- 日本語でもやりとりはできるが、表現がやや稚拙で正確性に欠け、時に明らかに信頼できない答えも返してくる
- 薬の情報など、データ化された情報が収集しやすいものに関しては正確な答えが多そう
という印象です。
追加例として、
ADHDのワーキングメモリに対する質問をし、根拠論文を尋ねたところ、もっともらしい答えとともに存在していない論文を挙げてきました。雑誌名や掲載ページまで載せてくるなど悪質とも言えます。
Journal of Child Neurologyの2019年発行、34巻2号、67-76ページには” Transcranial magnetic and direct current stimulation for working memory in ADHD: A systematic review.”という論文があると言っていますが、実際には"Treatment-Related Costs of Childhood Epilepsy in Mainland China: A Preliminary Study in a Tertiary Pediatric Epilepsy Center”という全く別の論文が掲載されているのです!
ということで、Chat GPTとの会話はしてみると面白いし、参考になることも沢山提供してくれますが、返してきた情報に関しては、とりわけ専門的情報であるほど注意が必要なのは確かです。
何せ素早くしれっと本当かのように間違った答えを返してくることがあるのは混乱に繋がる可能性があります。
とはいえ、フィードバックすると謝ったり、それではと正しい情報を返してもくるので、今後の改良を待ちたいところ。
以前、個人ブログに将来AIが進化すると医者も整形外科医以外は要らなくなるのでは?と書きましたが、
その思いが強くなってしまいました。
今後も知識を得るのにChat GPTは使っていきたいですが、一定の注意を払うことは忘れずに、そして更なる進化を楽しみにすることとします。
無茶振りをしてみた
ちなみに今回のブログを~風にと変更してもらいました。冒頭を幾つかどうぞ。
- 司馬遼太郎風に
久しぶりだ。今年こそブログを更新するつもりだ。新型コロナの影響もあって、感染症法のレベルが上がっているが、医療逼迫に繋がらないように願う。
- 頭のいい18歳風に
Yo, 久しぶりだね。今年こそブログを更新しようと思ってるよ。新型コロナの影響もあって、感染症法のレベルが上がってるけど、医療逼迫に繋がらないように願ってるよ
- 落語調に
お久しぶりですな。今年こそはブログを更新しようと思ってますね。新型コロナの影響もあって、感染症法のレベルが上がってるが、医療逼迫に繋がらないように願ってますな。
- 5歳の子にわかるように
久しぶりだよ!今年は、新しいことを書こうと思っているの。新しい病気が出て、法律も変わってるけど、病院に行くのが大変にならないように願っているの。
- 季語を入れた俳句風に
久しぶりの春 / 新しい記録を / 目指して / 疫病の影響も / 医療負担は避ける
- 短歌に
久しぶりだね
今年こそ新しい記録を
新型コロナもあるけど
病院に行くのは避けよう
- 英語に
Long time no see! I've decided to update my blog this year with the goal of achieving new accomplishments. With the impact of the COVID-19 pandemic and changes in the laws regarding infectious diseases, I hope to minimize the burden on the medical system
無茶振りに懸命に応じてくれて可愛いですね。
でもここまで来ると確かにニューヨークの公立校で利用が禁止されたのも頷けます。
うまく使うとレポートも論文も簡単に書けそうです。勿論このブログも…。
***************************************
ライデックでは、ブログ以外でも様々な発達障害の情報を発信しています。気になる方は、公式HPや公式Twitterをチェックしてみてください。
⇢お気に入り登録、いいね等応援よろしくお願いいたします!
⇢また、読者のみなさまから紹介してほしい発達障害の話題や記事に対するコメントもお待ちしています!
***************************************
発達特性研究所 (RIDC: Research Institute of Developmental Characteristics)
本記事は株式会社ライデックによって作成されました。できるだけ、簡単でわかりやすい言葉で記述しています。データの解釈や内容表現に誤りがあれば、コメント欄にてご指摘ください。また、弊社HPやTwitterにてさまざまな発達特性情報を発信していますので、興味のある方はそちらもチェックしてみてください。