今回はデンマークです。
デンマークと言えば私(代表)は自転車の国だということ、そしてコペンハーゲンの人魚像のイメージを思い浮かべます。実は留学を一時考えたこともあり、留学したことのある方にも話を聞きましたが、とても過ごしやすいそうですよ。
世界一の自転車都市コペンハーゲンの街づくり 環境保護、健康増進、経済効果にもつながる | 未来コトハジメ
デンマークの教育
デンマークはペタゴーという、幼稚園、学童保育、障碍者施設などで働く人のための国家資格。教育課程における教授学や指導方法を主に、支援対象者と彼らの環境を理解する力をつけるために心理学や人間学、さらに社会支援学などを学ぶ。プロとして人間と向き合うスキルを養う、そうです。
そんなデンマークの教育制度について見てみましょう。
Pre-school (0学年:6~7歳)
Primary(1-6学年:7歳~12歳)
Lower Secondary(7-9学年:13歳~15歳)
10学年(任意:15-16歳 就学率45%)
→「進路指導」ギャップイヤーとして自分の進むべき進路を考えている生徒、学力が足りていなくて高校進学に不安を感じる生徒などが1年補習教育を受けられます。企業での実習、高等学校への体験入学などが取り入れられています。
Secondary(1学年~3学年:15歳~18歳)
→ 18歳未満の3年課程 または 成人も対象としている2年課程
義務教育が終了した生徒の約80%が高等学校へ進学、その90%が高等教育機関への進学を希望します。
義務教育期間中、教育省から必要な支援を最低週に9時間受けることができます。
特別支援教育のサービスは市町村から、子どものニーズによってさまざまな方法で提供され、特別支援を必要とする子どもは、可能な限り通常学校(Folkeskole:公立)にて教育を受けます。教師は障害を持っていて支援が必要な約10%の子どもを含め、すべての子どもを教える資格を持っていなければなりません。
特別支援教育に特化している学校もあります。特別なニーズを持つ子どもたちは、通常の教育の補完または代替えする教育を受けることも可能で失読症、ADD、知的障害、聴覚障害、視覚障害などに焦点を当てた特別なクラスで授業を受けることも可能です。特別クラスは、知的障害と身体障害を併存している子どもたちに提供される。
すべての学校が身体障害をもった子どもが通えるような設備・環境になっていませんが、デンマークの法律によって新しく建てられた校舎などは身体障害者の人も利用できるように規制に従って建築されています。
各段階での特別支援
Pre-school:就学前の子供に対する特別支援は言語障害のある子どものみが対象です。通常言語聴覚士によって支援され、教育心理相談窓口(PPR)が半年ごとに子どもの評価を行います。
Primary School:特別支援が必要な子どもに適切な教育を提供するのは、地方自治体の責任となります。通常、親が教育心理相談窓口(PPR)に連絡をして、特別支援を手配しますが、必要と判断された場合には、教師や保健師などがPPRに連絡をします。
教育心理学的な評価を受けて、支援の種類をPPRが提案し、必要な支援についての書面を作成、PPRと学校は密接に連携しています。(PPRは通常の教育システムに技術的な補助や教材などを提供)多くの場合、子どもは通常学校に通うこととなるが、子どもへの支援が多大に必要であり、通常学校で対応できない場合は、そのニーズに適応した学校に通うことになります。
教育心理相談窓口(PPR)の役目:評価を通して子どもに必要な支援を把握し、適切な教育を提供することを保障します。子どもへの教育に関するすべての判断は、保護者の同意が必要であり、保護者との協議の上で必ず行われます。保護者が特別支援の内容に同意をしない場合、特別教育控訴委員会に苦情を申し立てることができます。子どもは1年に1度、状態を評価されます。
Secondary School:義務教育(Primary + Lower Secondary)が10年終わると、Upper Secondaryへと進学します。可能な限り、障害をもつ生徒は特別なプログラムを通常学校の中で受けます。10年生に進学した場合、指導と教育を組み合わせた橋渡しプログラムに参加するように地方自治体が提案することができる。Youth Programでは、一般的な高等教育と職業的な高等教育で構成されている。すべての生徒が職業訓練を受けるが、特別支援が必要な生徒はより長く、また多くの訓練を受けるよう提案されることがあります。SecondaryではSpecial Educational Assistance (SPS)プログラムにて特別な支援を受けられます。
私立学校
私立の学校においても、公立学校と同様の支援を提供しなくてはなりません。デンマーク政府は障害を持つ子どもたち・バイリンガルの子どもたちへの教育を支援するために助成金を提供しています。(デンマーク語でのサポート授業、深刻な障害を持っている子どもの通学支援などの追加費用をカバーする形で行われます。
2007年の「自治体改革」によって、教育行政の管轄がアムト(県)からコミューン(市)に移管さ。→親が子供の面倒を見る時間が増え、仕事を少なくしなければならないなどの影響が出ています。
インクルージョンによる弊害:軽度発達障害の子へのしわよせ
18歳になると親の養育義務がなくなり、子どもは親から独立します。就労の可能性があれば、実習という形で就労にチャレンジすることも可能ですが、見極めがコミューンでは5年かかり、本人・家族の精神的負担が増大しています。特別支援学校に通学する子どもは、十分な人的・物的・精神的環境が与えられる一方で、インクルーシブ教育として通常学校に統合された子どもたちの就労が極めて難しくなっています。
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発達特性研究所 (RIDC: Research Institute of Developmental Characteristics)
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