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教育制度について(フランス編)

さて、今回はフランスの特別支援教育についてです。

ギフテッドについても対応があるのが珍しいのではないかと思いますね。

私(代表)はフランスのギフテッドというと歴史上に燦然と輝く数学者たちを思い浮かべます(デカルト、フーリエ、ガロア、ポアンカレ...)。

弊社ブログではこの最近各国の特別支援教育制度について取り上げてきましたが、今回でひとまず終了です。

 

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フランスの特別支援教育

Primary Education 保育園(Pre-maternelle:2歳~)・幼稚園(Maternelle:3歳~)Primary School 6歳~11歳
6歳:CP(準備科)、CE1(基礎1年)、CE2(基礎2年)、CM1(中級1年)、CM2(中級2年)飛び級や落第もあり得る
Secondary Education
① College→11歳~15歳
② Lycée→16歳~18歳 (1年目まで義務教育)

Higher Education
① Vocational diploma (DUT 又はBTS) 2年生の技術科
② Academic diploma  (大学、Grandes ecoles:大学と似ているがより専門的な3年コース、専門学校:芸術・建築などの特別分野の学校)

 

特別支援の対象:身体障害のある子ども、言語・学習障害のある子ども、長期的な教育が困難な子ども、Giftedな子ども

 

障害者の地方自治体であるMDPH(Maison départementale des personnes handicapées)は2005年2月施行の法律により、障害者とその家族への情報提供・支援をする窓口として設立されました。フランスの教育法典(第D351-5)によって専門家(医師・セラピスト・心理学者・ソーシャルアシスタント)からなるチームが、障害のある子どもニーズを評価し、個別支援プロジェクト(Personalized Schooling Project; PPS)を提案すると規定されています。PPSの方針には、家族の意見も大きく関わります。PPSの方針を基に、MDPPHの権限下にあるCDAPH(障害者権利・自立委員会)が、通常教育の中でPPSが受けられるように対応します。

PPS:教育・心理・社会・薬学的なニーズに対応する。最低1年に1度、チームと家族によって見直される。専門的な教師が対応に当たる。

 

身体障害を持った子供への特別支援:

個別対応:通常クラスの中で行われ、特別なサポートなしで提供される場合や、必要に応じてサポートを受ける場合もあります。学習生活補助器具や、特定の教育機器などを使用して授業を受けます。

集団対応:生徒の個別対応があまりにも大きい場合、子どもは小学校、中学校、高等学校に設置された「ULIS/CLIS」に通うことができます(日本でいう支援級?)。PPSで定められた方針を適用した教育を、専門の教師から受けることが可能となります。初等・中等教育の教員に共通する新たな資格としてCAPPEI(インクルーシブ教育実践のための専門適性証明書)が施行されています。ULISの子どもも、可能な限りは通常のクラスに参加します。

 

言語・学習障害をもった子どもへの特別支援:

フランス教育法典にて、失読症・失声症などの言語に困難を抱える子供には特定の取り決めや支援を実施することが定められています。

家族はPPS+PAP(個別支援計画)を受けることができます。

PAP:教育協議会・学級員会からの提案、または学生の学校生活中の任意の時点で、悪性の年齢に応じて本人または家族からの要請により設定される。(MDPPHに相談不要)全国の教育委員会の医師が、生徒の困難さの種類を把握し、PAPの妥当性について意見を述べる。その後、教師・生徒の親・医療関係者とPAPを作成し、実行。

 

Giftedの子どもへの特別支援:

フランス教育法典にて、Giftedの子どもはその可能性を伸ばすために教育上の調整を受けるべきであると定められています。本人の学習リズムに合わせて、授業をスキップすることが可能です。子どもが、行動上・学習上の困難を示す場合、対応することができます。対応は、教師とそれ以外のスタッフ(心理・医師・校長等)が家族と一緒に考えます。

対応の例:カリキュラムの開発・生徒の自主性を境界するために、研究、プレゼンテーション、クラスメートとの個別指導、特定の科目を上位クラスで受けるなど。

 

SESSADとCLIS

SESSAD(services d'éducation spéciale et de soins à domicile):

精神・運動・感覚に障害のある子どもを対象に早期教育と家族へのサポートを義務教育終了まで(場合によって大学まで)提供。従来での学校教育と学校外での治療、リハビリの橋渡し的役割。

 

CLIS(class d'integration scolaire):通常学級で学ぶには障害が重すぎるが、特別な施設を必要としない子どもたちのクラス。通常の小中学校の中にある特別クラス。授業は生徒のニーズに合わせて粉われるが、教えるカリキュラムは基本的に通常のクラスと同様。

CLIS1 (D)認知的学習障害・重度の精神発達制限
CLIS2 (A)聴覚障害
CLIS3 (B)視覚障害
CLIS4 (C)身体障害・重度の運動機能障害

 

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 発達特性研究所 (RIDC: Research Institute of Developmental Characteristics)

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