こんにちは。スタッフの村田です。
さて、皆さんは、子どもに頃に親から「身だしなみを整えなさい」と言われたり、大人になってから職場で「清潔感のある服装を心がけなさい」とか言われたことはありますか?この指摘の理由を尋ねると、大抵「だらしない格好をしている人は、ルーズに思われて損するよ」とか、「身なりが整っている人はキチンとしていて真面目と思われる」からといったコメントが返ってきます。
確かに、初めて会った人に対して「身なりが整っているから真面目そう」と思うこともあれば、そう言われることもあります。ただ同時に、私はそう言われると「いや、身なりが整っている人はみんな真面目みたいに言われても…少なくとも私はそんなことはないのだけどなぁ」と思ったりします。皆さんはいかがでしょうか?
でも、この話、冷静に考えると、「身なりが整っている人はみんな真面目」とはならないことは分かるものなのに、なぜこんな誤解が起こるのでしょうか?
今回は、このような相手を誤解してしまう、誤解させてしまう要因のなかでも「論理的誤認」と「ハロー効果」と呼ばれるものについて、お話したいと思います。
論理的誤認とは?
論理的誤認とは、ある印象とある印象に関係性があると思い込み、その関係性に基づいて一見論理的であるかのような推論をすることです。
例えば、「物事を論理的に話す人だから、誠実な人だろう」と思う人をよく目にするのですが、皆さんはいかがでしょうか?
ところで、「物事を論理的に話す人だから、誠実な人だろう」を詳しくみると、「物事を論理的に話す人」と感じる方に対して、同時に「誠実な人」と感じていることになります。つまり、「物事を論理的に話す人」と「誠実な人」は別々の話ですが、この二つに関係性があるかのように感じ、知らず知らずのうちに「物事を論理的に話す人は誠実な人」と考えるようになっていることになります。
しかし、冷静に考えると「物事を論理的に話す人」=「誠実な人」は成立するでしょうか?
例えば、映画やドラマを観ていると、論理的ではないけれど、とても誠実で熱血漢なキャラクターが出てきたりします。この場合、「物事を論理的に話す人ではないけれど、誠実な人」となります。
反対に、物事を論理的に話すけれども、不誠実なことをしているキャラクターも目にしたりします。この場合は、「物事を論理的に話す人だけれども、不誠実な人」となります。
そのため、冷静に考えると、物事を論理的に話す人あるいは、誠実と感じる人に対しては「物事を論理的に話す誠実な人」「物事を論理的に話す誠実でない人」「物事を論理的に話さない誠実な人」「物事を論理的に話さない誠実でない人」のどれだろう?と考える必要があります。
けれども、「物事を論理的に話すこと」と「誠実」の繋がりが強いために、「物事を論理的に話す人」は「誠実な人」と思い込んで相手を捉えてしまします。
このように、誤解した印象を抱いてしまうことを論理的誤認と言います。
ハロー効果
人への誤解した印象を抱いてしまう要因にハロー効果と呼ばれるものもあります。
これは、その人のについて考える際に、その人の分かりやすい特徴に影響を受けて評価をしてしまうことです。
例えば、医者を見ると、「お医者さんだから、勉強が出来て、何でも知っていて、落ち着いているに違いない」といったことや、逆にくだけた服装の人を見て「身だしなみが整っていない人だから、約束を守れなさそう、時間にルーズそう」という印象を抱いたりしませんか?
でも、それは正しいでしょうか?
確かに、医者は高学歴で国家試験も合格しているので「勉強が出来る」と思います。でも、医者であっても、知識も人格も人それぞれ。医者=「何でも知っている」「落ち着いている」とはなりません。
同様に、身だしなみが整っていない人も、性格も行動も人それぞれなので、「約束を守れない」「時間にルーズ」とはなりません。
しかし、私達は見かけや目立つ特徴/属性に左右された第一印象を持ちがちで、持たれがちです。 このように、その人の目立つ特徴や属性に影響を受けて、その人を評価することをハロー効果といます。
お話しました通り、そのつもりがなくても知らず知らずのうちに、私達は都合良く相手のことを捉えて勘違いしがちです。
そう考えると、第一印象を信じすぎて相手のことを誤解してないか?と、考えてみることで、相手への誤解が解けることはありそうですね。
同時に、相手に誤解されていることも多いかもしれまんので、自分の言動が誤解されていないかを確認して、相手の意見を聴いたり、自分の意見を伝えたりして、誤解をといてみることも、円滑なコミュニケーションのためには必要かもしれませんね。
また、相手にもってもらいたい印象があるのなら、そう思って貰えるような言動をしてみてもよいかもしれませんね。
少なくとも「身だしなみを整えた方が良い」との話は、あながち間違ってなく、「身だしなみが整っていないよりも、整っている方が得をする機会」は多いのかもしれませんね。
それでは、また
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