ADHDの方に処方する代表的2薬、継続するにはかなり経済的に負担がかかる。
代表の松澤です。
ご存知の通りADHDの方には治療薬が存在します。
効果もしっかりあるのですが、結構問題なのは価格でしょう。
基本的には日常使い続けるので、安いに越したことはないんですが、抗ADHD薬は高めの薬価設定です。
成人のADHDに使われる代表的2剤、コンサータ(一般名:メチルフェニデート塩酸塩)とストラテラ(一般名:アトモキセチン)について、用量別に3割負担時、1割負担時とに分けて作ってみました。
また、ストラテラに関しては、昨年ジェネリック薬(アトモキセチン)が出ましたので、先発薬と価格差を比較しています。
どうでしょう。3割負担だとやはり高いですね。
ストラテラに関しては120mgの目いっぱいまで使うと月に約12,000円、年間15万円です。
これは高いですよねえ。
コンサータはそこまで行きませんが、3割負担だと月に最大薬7,000円、年間88,000円ほど。
ということで、自立支援医療制度を使った場合と比較もしてみたが、やはり随分楽になります。特にストラテラではその恩恵は大きく、最大量120mgの場合には、3割負担との価格差が年間10万にもなり、所得によってはもっと少なく利用できるでしょう。
自立支援医療制度は適切に使おう
抗ADHD薬の使用は、逃れられない無い特性からくるハンデを和らげるのに正当な医療と考えるので、自立支援医療制度は積極的に利用すべき、と思います。
ちなみにですが、コンサータはコンサータ錠適正流通管理委員会という専門の組織によって厳しい規制を受けて医師が処方、薬局が販売しているので、恐らく後発品は出ないんじゃないかなと思います。*1
今年発売が予定されている、新しい抗ADHD治療薬はさらに厳しく管理されるようですね。
他の精神薬も見てみましょう
さて、こちらはそれぞれ先発品とジェネリックとの比較をしてみました。
やはり日本イーライリリー社の抗精神病薬ジプレキサ(一般名:オランザピン)は高いですね。ジェネリックとの価格差は1年で2万円を超えます。
一方代表的な抗不安薬で古くからあるワイパックス(一般名:ロラゼパム)はほとんど差がないので、古い薬ほど先発品と後発品価格に大差ない印象は持ちます。
他に代表が比較的外来でよく使う身体疾患治療薬だとこちら。
必ずしもジェネリックとの価格差が先発薬に無く、これらは正直ジェネリックの品質がわからない状況なら先発品のほうがいいという発想もありかなと思うところです。
ちなみに今日の薬のお値段はこちらで調べました。気になる薬があったら調べてみてください。
*1:ご存知の方も多いかもしれませんが、こんなに管理が厳しくなったのは同じ成分の薬、リタリンが一部のクリニックの不適切な処方行為によって乱用されたことがあるからです。