皆様、
代表です。こんにちは。
新型コロナウイルス感染症に関しては未だ一部都府県で緊急事態宣言下ですが、少しずつ検査陽性者数、陽性率等下がってきており医療者として有り難いなと感じています。さらにこれからワクチン接種が始まるとこれから先に希望が持てると考えています。既に世界での先行接種が数ヶ月経過し、有効性・安全性、ともに十分許容できるものと認識していますので、機会が訪れたら迷わず接種予定でいます。
抗ADHD薬の価格
さて、久しぶりに抗ADHD薬の価格表を刷新してみました。
2年前にブログに書いたのですが、この2年の間に塩野義製薬からインチュニブ(一般名:グアンファシン)が成人で利用可能となり、ビバンセ(一般名:リスデキサンフェタミンメシル酸塩)が小児用に新たに発売されていますので、それも加えた上での価格表です。
こうしてみるとやはり上記2薬はやはり高いですね。価格は少しずつ下がってはいるのですが。
抗ADHD薬はストラテラ(一般名:アトモキセチン)以外はジェネリックが出ていませんしね。
ちなみに、ストラテラは発売から10年以上経っており、インチュニブはまだ小児用に発売してからも4年目(2017年発売)でしかないので、ジェネリックはまだ先ですね。そしてコンサータとビバンセは御存知の通り厳格な登録制が敷かれてますからジェネリックは出ないでしょう。
表には私が一番使っている用量を赤字にしておきましたが、例えばインチュニブ3mgを3割負担で計算すると1年の自己負担支払額は6万円近くになります。これがジェネリックのアトモキセチン80mgでは3万円強ですから随分違いますね(違う薬同士比べるのは本来はあまり意味は無いですが敢えて)
ここで前回と同じく他の主な精神科薬の先発品価格、ジェネリックとの比較も載せておきます。
薬価はこちらで調べています。
こうしてみると安い薬と高い薬の価格には随分な差があることがわかりますね。
ワイパックス(一般名:ロラゼパム)はとても良く使われるベンゾジアゼピン系抗不安薬ですが、先発品でも0.5mg錠がわずか5.9円、後発品も5.1円なので殆ど差がありません。
一般的には古い薬ほど安く、新しい薬ほど高い原則はあります。
他の精神科使用薬と比較しても抗ADHD薬はやはり高いので、自立支援制度は上手く使うと良いでしょう。
新薬の価格はどう決まる?
ところで薬の値段とういのはどう決まるんでしょうか?
例えば抗がん剤のオブジーボが一時話題になりましたが高すぎる薬は単に自己負担額が多くなるという意味ではなく、我々が保持している皆保険制度で支えられる医療費足り得るのか、という問題に繋がりますので、単に新しいだけで異常に高い設定では困ります。
ということでご興味ある方はここにどうぞ。
大雑把に原則を言えば、
・新薬でも類似の薬効薬があれば価格は同程度に抑える
・新規性があれば、種々の加算(画期性、有用性、市場性などに応じて)が加わる
・欧米主要国(米英独仏)での価格と大きな差にならないようにする「外国平均価格調整」などもある
でしょうか。新薬開発には莫大なお金がかかりますから、開発した製薬会社にとって十分なインセンティブになるような加算と、外国との価格差が生じすぎないための調整がきちんとされているーと思っておきましょう。最終的な価格が妥当かは議論を呼んで当然ですが。
インチュニブ、ビバンセの2薬に関して、個人的には製薬会社にとって十分利益をもたらしても良い、ある程度高くても納得できるだけの効果を狙える薬ではあると思います。それでも絶対的な値段(値段そのもの)の高さはありますので利用者は自己負担額を減らす制度の有効な利用を、そして処方医は無駄な処方をせずしっかり適用を守る、という姿勢が求められるでしょう。
尚、私は上記新薬価格決定プロセスのうち、外国平均価格調整に関しては知識がありませんでした。
基本的には1.25倍を上回らないよう、そして0.75倍を下回らないよう調整が入るようですが、為替レートも変動しますしなかなか難しいのだと感じます。
特に欧州での発売価格との差は厚労省もまとめています。
こちらもご興味ある方はどうぞ。
今日は以上です。
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