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生活保護制度について

スタッフの齊藤です。皆様いかがお過ごしでしょうか。季節の変わり目でもありますので、体調管理そして引き続きのコロナ対策、できる範囲で意識していきたいですね。

今日は、生活保護制度(=生保)について簡単に書こうかと思います。

            借金で悩む女性のイラスト(現金)      

昨今の生活保護について

NHKでは、生活保護の申請が前年より増加しているとのニュースがありました。

”新型コロナの影響が長期化する中、去年1年間の生活保護の申請件数は、およそ23万5000件と前の年より5%余り増えて、2年連続の増加となったことが、厚生労働省のまとめで分かりました。 〜中略〜 生活保護の申請件数は、比較が可能な2013年以降でみると、前の年と比べて6年連続で減少していましたが、おととしから増加に転じています。”

生活保護 去年の申請件数 前年比5.1%増 コロナ影響長期化 | 新型コロナ 経済影響 | NHKニュース

生活保護の申請件数が増加しているわけですが、一方で、生活保護を受けることに抵抗を感じる方が多くいることも事実です。ワーカーとして保護申請の業務に何度か携わりましたが、抵抗を示す方の気持ちも理解できます。

ですが、生活や自身を守るために、“一時的にでも(生活)保護を受ける”ということを検討して頂いてもいいのかなとも感じます。

生活保護の基本的情報

私の周囲の人に、生活保護ってどういったもの?と尋ねると、“生活に困っている人にお金を支給する制度”という回答でした。その通りだと思います。ですが、生活の困り具合は人それぞれで、困り具合の基準も様々かと思います。

厚労省は、制度の趣旨を下記のように示しています。

“資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。(支給される保護費は、地域や世帯の状況によって異なります。)”

ポイントは、「最低限度の生活保障」と「自立の助長」でしょうか。厚労省は最低生活費というものを定めているため、無収入で生活が困窮している方はもちろんのこと、たとえ働いていたとしてもその額が最低生活費に満たない場合などは、足りない分を保護費より支給されます。(年金や各種手当・給付金等は個人的な収入とみなされます)

 

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上記は生活費として支給されるもので、これに追加する形で様々な保護費が用意されています。

いくつか例として、

「生活扶助」・・日常生活に必要な費用(食費、被服費、光熱費等)

「住宅扶助」・・アパート等の家賃、地代など

「医療扶助」・・医療サービスの費用

「生業扶助」・・就労に必要な技能の修得等にかかる費用

等々。

「生活保護を受ける=生涯に渡り保護を受け続ける」という事ではありません。生活保護の受給を受けながら先ずは生活の基盤を立て直していく、そして、各種扶助の支給を受けながら、自立生活に向けて生活を作り上げていく、というイメージでしょうか。(皆さんのイメージはいかがでしょうか)

とはいっても生保の現場を色々と見てきて、元の生活に戻ることがそう簡単ではない、というのはとても理解ができます。なにせ最低限度の生活を保証するための支給額ですから。ですが、それ(生保受給)をしない上では、最低限度の生活を送ることすら出来なくなってしまうという現実もあります。

一方で、平成30年に「被保護者健康管理事業」というものが創設されたのですが、これは“自立の助長を図るために、生保受給者の健康管理を支援していこう”というものです。

なぜ健康管理かというと、生保受給者の多くは何らかの健康上の問題や課題を抱えていて医療を必要としています。それ故に、健康に向けた諸活動が思うように出来ず、活動自体が低迷してしまっているのです。

“自立のためには先ずは健康であることが大切、医療面・生活面の両方を支援することで、受給者の方たちの健康維持や健康管理を促す”ということなんですね。

ちなみにこの制度で言われている“自立”とは経済的自立だけではなく、日常生活自立や社会生活自立も含まれます。確かに健康でなければ、どれも得がたいものかと思います。

 

            相談窓口のイラスト

まとめ

生活保護制度については、厚労省のページや各自治体の福祉事務所で詳細を確認することができます。

 “生活保護は社会保障における最後の砦”とよく言われますが、他にも生活困窮への支援は多くあります(生活困窮者自立支援制度)。先ずは市区町村の窓口に相談して頂き、どういった支援や社会資源が使えるのか確認してみてください。

困ったから支援を受ける、というのは私達の当然の権利ではありますが、このままでは困りそう・・という段階でぜひ相談をしていただいてもいいのかと思います。自分の力で生きていけるよう生活を立て直す、社会や他者と繋がりを維持しながら自立をしていく、孤立してしまうのでなく自立していく、周りに頼りながら生きていくのはとても大切だと思います。

 

それでは。

 

 

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