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教育制度について(イギリス・オーストラリア編)

前回教育制度について(日本・アメリカ編)にて発達障害をもつ子どもたちが受けられる教育について日本とアメリカの場合をご紹介しました。今回はイギリス、カナダ、オーストラリアについてご紹介します。

 

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イギリスの教育制度

18歳以下の子どもに対して、支援やサービスが提供されます。学齢期では「特別な教育的支援(Special Educational Needs: SEN)」を必要とする場合、「特別な教育的手立て(Special Educational provision)」を受けることができます。

5歳未満の場合

・2歳時における発達状況の書面
・2歳~3歳時における小児保健師(child health visitor)による健康チェック
・小学1年生の夏学期時における書面評価
・障害がある子どものための合理的調整が必要(触覚サインなどの補助具)

すべての保育所などは、Early Years Foundation Stage (EYFS)に沿って以下の学習を提供しなければなりません。

<学習内容>

・コミュニケーションと言語
・身体発達
・個人的、社会的、感情的な発達
・読み書き能力
・数学
・周りのことについて学ぶ
・芸術的表現とデザイン

<評価>

2歳~3歳時
幼児教育担当者または小児保健師が子どもの発達を査定。教室内での観察によって評価されるため、検査は受けない。

5歳~15歳まで

SENコーディネーターに相談することでサポートを受けられる

・特別な学習プログラム
・教師や補助スタッフからの追加支援
・少人数でのグループ作業
・授業中や休憩中の観察
・クラス活動の参加へのサポート
・学習に対しての促し(質問をしたり、少し難しいことへの挑戦をさせてみるなど)
・他の子どもたちとの間のコミュニケーション支援
・身体的サポート(食事、学校内での移動、トイレなど)

16歳以上

大学などに個別で支援を頼む

 

オーストラリアの教育制度

対象:知的障害、身体障害、視覚障害、聴覚障害、言語障害、精神障害、自閉症などを持つ子どもたち

基本的な特別支援の多くは、普通学校での支援員による支援サービスです。より多くの支援が必要な子どもは特別支援学校に通うことも可能です。

The Disability Standards for Education 2005は障害をもった子どもが他の子どもと同様の権利を与えることを目的としています。この基準では、すべての子供が教育を受けることができ、尊厳を持って扱われるべきであるとされており、障害を持つ学生の能力に対する固定観念に基づく差別を克服することも目的となっています。

 

オーストラリアの特別支援教育は,可能な限り子供が一般の学校に通うというインクルーシブなアプローチをとっています。教育機関は,生涯のある生徒が他の生徒と同じように教育が受けられるように合理的配慮を行うことが法律で義務付けられています。

支援の方法は:

  • 一般の教室の中で,カリキュラムを変更したり,追加支援を受ける場合
  • 一般学校の中での特別な少数クラスで授業を受ける場合
  • 特別支援学校に通う場合

 

方法:通いたい学校の校長に連絡をし,学校は生徒がどんな支援が必要かを調整するために相談します。協議には以下が含まれます:

 

  • 生徒のニーズの確認
  • 自分の障害の概要と必要な調整について,医師やセラピストの報告書を提出
  • 生徒の教育に対する障害をどのように克服するかの方法について話し合い
  • 調整が妥当であるかどうかの話し合い

 

各州によって独自の教育プルグラムを運営。子どもが支援を受ける基準も異なっています。

 

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 発達特性研究所 (RIDC: Research Institute of Developmental Characteristics)

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