代表です。
お盆休みの皆さんもおられると思いますが、帰省についての悩みを抱えた方も多いのではないでしょうか。
帰省はやめるべきだという意見もあれば、一方で高齢のご両親に孫を見せるのもいつ最後になるかわからない...といった悩みを持つ方にとっては1回の帰省の持つ意味が違うわけです。感染防止策を工夫しながら各自が状況によって判断すべき問題かなと思っています。
本を聴くこと
さて、今日は本を読むのではなく、「本を聴く」ことについてです。
夏休みの1つの提案として読んでいただければ。
実は私は今本を読むよりも、本の内容を知るという意味では、圧倒的に「聴いている」ことが多いのです。
前に書いた私的blogが2017年でその時既に始めて3年とありますので、この6年ほどそんな感じです。
できたら「聴読」とか「聴き読み」という言葉を作りたいくらいです。
ということで、以下本を聴くことを聴読と書きますね。
(ちなみに今日の文章で「聞く」と「聴く」は私の感覚で使い分けてます。)
なぜ聴読?
きっかけはもう忘れてしまいましたが、私は聴読を始めて以来とても本を読むペースが上がりました(って聴いているんですが...)。
聴読のメリット、私にとってはこんなところです、
①受動的に耳から入ってくる
本を読むって、とても能動的な行為だと思うのです。
特に初めて知る内容が多かったり、専門書だったり、興味ないけど仕事/勉強で読まなければいけない、
なんてとき、「読むぞ!」という気合が必要じゃないですか?
目で追って理解していくのに時間がかかるものでも、音声で読み上げられると、耳を通じてとにかく一方的に頭に入ってくる。
それを聴いてさえいればいいので、聴く準備さえ整っていれば内容がわかります。
②何かをしながらでも可能
本を目で読むためには、手と目の両方が塞がりますよね。
私は運転中メインに聴いていますが、イヤホンを使って電車やバスなどでの移動中、ランニング中であったり、料理中であったり、とにかく何かをしながら本を読むことが可能です。
ただし、作業中に読む場合には、作業に支障が無いことは条件ですが...。特に運転をしている方、気をつけてください。
どんな内容であっても、聞きながら本来の作業が疎かになってはいけません。
脳は覚醒しており、動作がどちらかと言えば自動的で1つ1つの手や身体さばきに言語化された内省を(あまり)必要としない、そういった小脳優位の活動をしているときが聴読の向いている状況です。
③冊数が増える
読書における私の欠点は、速度ムラです。とにかくムラがあります。短時間にすごい進んだり、時間かけても1ページしか読んでいなかったり。でも読み上げてくれる音声は常に一定です。速度も自分の理解速度に合わせて調整できます。
結果的には1冊の本を読む(聞く)平均速度が上がり、読了(聴了?)する冊数が大幅に増えました。
しかも基本的には疲労度が小さいです。本を目で読むほうが能動的、と実感します。
そんなわけで、聴くメリットは大きいなと思っています。
もちろん、デメリットもあるのでそれは後ほど。
どうやって聴く?
大きく以下の2種類がありますので順に。
1.朗読アプリ(サービス)を利用する
2.読み上げ機能を使う
1.朗読アプリ(サービス)を利用する
本を、専門の声優さん(執筆者だったりもしますが)が読んでいるものを聞くサービスを利用します。
有名どころでは、例えば以下の2つ、AmazonのAudibe(オーディブル)と、audiobookなどありますね。
Amazonオーディオブック : Audible (オーディブル)|最初の1冊は無料|Audible.co.jp公式サイト
忙しいあなたも、耳は意外とヒマしてる - audiobook.jp
他にも幾つもあり、それぞれに特色があります。
無料体験期間を設定しているサービスが多いので、まずはトライしてみるといいかもです。
この比較サイトは参考になりました。
朗読本を利用した聴読は、本の内容にマッチしたナレーションがされていて、とても聞きとりやすいのが特徴ですね。
もちろん、読み間違えはありません。
対して、次に紹介するスマホの読み上げ機能を使った場合は機械的な音声です。
2.読み上げ機能を使う
お手持ちのスマホ、iPhoneとアンドロイド端末で違いがありますので、やり方は以下をどうぞ。
www.b-chan.jp
www.muji-nobita.com
こちらは読み上げを行うのが機械なので、音声は一様で、抑揚がありません。
機械音声は味気ないでしょう?なんて言われますが、それに関しては速度を少し早くすると自然な感じになるので気にならないと断言しておきましょう。
逆に声優さんによる朗読アプリのほうが原作を映像化されたときのように、お仕着せに感じてしまうので、私は機械音声のほうが好きだったりします。
機械音声の速度については、私は普段2.8倍速で読み上げてもらっていますが、慣れていない人には随分速く感じられるようです。
デフォルト設定の1倍速で読み上げ速度を測ってみると、1分間に326字ペースでした。
これはどうやらNHKのアナウンサーが文字を読む速度に近いようなので、速さ的にはちょうど良いのですが、多分、1.5倍速程度にするとより自然に感じられると思います。そういう意味では、慣れが必要です。
【第2回】「NHK式7つのルール」をマネれば、あなたの話し方が一変する! | 【NHK式+心理学】一分で一生の信頼を勝ち取る法 | ダイヤモンド・オンライン
読み上げ速度の調節についてはこちらをどうぞ。
Kindle本はiPhone読み上げ機能で4倍速再生させるのがおすすめな理由
(ちなみに私は4倍速ではちょっと速すぎて理解が追いつきません)
また、読み上げには特別なサービスを必要としないので、電子書籍であればどれでも可能です*1が、私は基本的にAmazonのKindleアプリをiPhoneで使っています。同じAmazonの朗読本サービス(Audible)に比べると、出版点数が格段に多いことが利点です。
聴読のデメリット
本を読んで聴くことに慣れてしまった今の私は正直、目で読むという普通の行為が結構辛くなっているので、もしかしたらそれが最大のデメリットかもしれないのですが、それは年齢とか、体力とか、視力とか(老眼始まってます)の問題の可能性もありそう(T_T)なのでそれ以外を挙げてみます。
①コストが高くなる
聴くための本は借りることができません。なので買う必要があり、コストがかかります。
Amazonのキンドルには、Kindle Unlimitedというサービスがあり、定額でいろんな本をダウンロードすることも可能ですが、対象でない本も多いのは欠点です。
電子図書館が欲しいです、切実に。やっている国はあるんですよ。
②図表を見ることができない
耳からですから必然的にそうなります。しょうがないですよね...。
図を想像しながら聴いています。
気になる図は後で確認です。
③何かに気になっていると内容がまるで頭に入ってこない。
基本ながらで聴くんですが、聴読しながらテレビに気を取られたり、何か内容とは別なことを考えてしまうと、折角聞いた10分でな~んにも頭に入っていない、ということがあります。
これもしょうがない側面です。ちなみに、本を読んでいると本のこの辺りにあれが書いてあったかなあなんて覚えているものですが、聴読をしていると耳に入ってきた内容を聴いていたときに見た景色が頭に残るようです。
なので、例えば通勤中近所の角を曲がったときに昨日読んだ本の内容が蘇ってきたりします。*2
④漢字の読み方が変
困ったな、と思うのがこれです。
例えばなんですが私の好きな戦国時代ものは誤読のオンパレードです。
大坂城(おおさかじょう) ⇛ おおさかいつき
籠城(ろうじょう) ⇛ かごじょう
島々(しまじま) ⇛ しまくりかえし
はまだいいですが、伊達政宗(だてまさむね) ⇛ だてまつりごとしゅう はあんまりな誤読です。
そんわけで、耐えられないときは正しく読んでもらえるよう、設定から修正する必要があったりしますね。
まあでも慣れれば可愛いときもあるんですが...。
修正の仕方に興味ある方はこちらをどうぞ。
以上、聴読について、そのメリットを中心に述べてみました。
さて、ここまで読んでいただくと、読字障害を持つ方、読むことに対する抵抗が強い方、不注意が強くなかなか本に集中できないというADHD特性持ちの方、などにどうか、と思いますよね。
もちろん、助けになると思います。
デメリットの最後に書いた誤読についてしっかりと注意して使ってもらえればと感じています。
- 作者:ユヴァル・ノア・ハラリ
- 発売日: 2016/09/16
- メディア: Kindle版
サピエンスは現生人類たる我々の学名ホモ・サピエンスから。人類史を概観する意欲的な本で各所で絶賛推薦中。面白そうと手にとっても、重い、と躊躇する人多いのでは?聴くのは楽ですよ。
著者曰く「歴史の道筋は、3つの重要な革命が決めた」と。その3つは、認知革命(7万年前)、農業革命(1万2千年前)、そして科学革命(500年前)。現生人類が反映した理由の1つには、認知革命があり、皆んなで共有できる神話や宗教を発展させ、その虚構の話を奉じて何万人もが協力して事を為すことができるようになったのだと。なるほど、ですね。
ちなみに、読み上げによる、現生人類(げんせいじんるい)の誤読は、げんなまじんるい、です。 さすが、お金を開発した動物なだけありますね。
Apple AirPods with Charging Case
- 発売日: 2019/03/27
- メディア: エレクトロニクス
聴読のお伴はイヤホンです。
中でもお勧めはBluetooth接続のワイヤレス。何でも良いと言えば良いのですが、airpodsの使い勝手と装着感の良さは購入当初から嬉しく思う部分です。APPLE製品ですが、Androidでも使えますよ。
私の聴読人生を変えた製品といえます。
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