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今こそ求められる心のしなやかさーレジリエンスについて②ー

こんにちは。スタッフの田汲です。

9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続きますね。

今年の夏はマスク着用ということもあり夏バテしがちだったので、梅干しを口にする機会が多かった気がします。

まだまだ水分・塩分補給には気をつけて過ごしましょう。

 

 

今回は、レジリエンスの記事の後編ということで、レジリエンスを獲得するためにはどんなことが必要なのか、私なりにではありますが、調べつつ考えてみました。

そのため、私個人の主観のもと研究を引用しておりますので、ご了承ください。

ちなみに前編はこちらです。

 

www.tsudanuma-ridc.com

 

 

レジリエンスを“獲得する”ということについて

前回の記事では、レジリエンス=心理的なしなやかさを後天的に獲得していくことができる可能性があることをお話しました。

そもそも定義が幅広いレジリエンスという概念では、”獲得する”ことやそのプロセスにも多義性があると考えられます。

これについて、上野・平野(2019)はレジリエンスの獲得を「個人の内的なレジリエンス要因を拡げ、レジリエンスを高めていく」こととした上で、「潜在的な資質を『発掘』することによる拡がりと、新たに『増幅』することによる拡がりがある」と述べています。

つまり、レジリエンスの獲得には、”新たに身につけること”と、”持っている資質を引き出すこと”の両面がある、と捉えられます。

 

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自分の持つ強みに気付くことや、持っている強みを活かすことも、レジリエンスを高めるプロセスに含まれているんですね。

また、これらの「発掘・増幅」という資質の拡がり方に加え、「個人・他者」という二軸で、レジリエンス獲得のプロセスが示されています。

 

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※上野 雄己, 平野 真理(2019). 個人と集団活動を通したレジリエンス・プログラムの効果検討 日本ヘルスサポート学会年報, 4巻, 17-24 より引用

 

そのため、レジリエンスを高めるプログラムの内容には、個人活動と集団活動の両方を導入することの有用性が指摘されています。

集団活動で他者とかかわる中で、自分らしさについての理解を深めたり、自分の持つ強みに気付くことに繋がるということも考えられますね。

 

レジリエンスプログラムの効果は?

現在まで研究開発・介入が行われている多種多様なレジリエンスプログラムは、「個人スキル重視型」「体験重視型」「環境整備型」の3つに大別できるようです(原・都築,2013)。

多くのプログラムの中から、美間(2018)のレビューをもとに、介入後に効果がみられたとされる5つのプログラムを挙げてみました。

 

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これらを概観すると、コーチングを取り入れたプログラムが少なくないように見えます。

個人的な推測ですが、コーチングが目標達成や行動変容のために働きかけるものと考えると、なりたい自己像を明確にすることや、具体的に行動を変えていくことが、レジリエンスの獲得にも役立つのかもしれません。

 

このようにたくさんのプログラムが開発されてはいますが、一般的な対象者における介入研究はわずかで、共通のトレーニングが構築されていないのが実情、という報告もあります(上野・飯村ら,2016)。

また、特に日本人を対象とした日本の研究では、継続的に追跡してプログラムの効果を測る研究はまだ少なく、どのプログラムが一定の効果があるのか明言できる段階ではないようです。

その点も、今後の課題といえるでしょう。

 

レジリエンス獲得のためのヒント

では、わたしたちが日常の中で現実的にできそうなことには、何があるのでしょうか。

上野・飯村・雨宮・嘉瀬(2016)は、American Psychological Association(2013)が提案した、以下のような“レジリエンスを育成するための10要因”が参考になると推測しています。

 

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”要件”ということなのでいずれも抽象的な内容ではありますが、前回の記事で述べたレジリエンスの獲得的要因である「問題解決志向」「自己理解」「他者心理の理解」と重なる要件がいくつかみられますね。

また、10の要件の中では“認知”や“とらえない”・“見方”といったキーワードが頻出していることがわかります。

これらのことから、レジリエンス獲得のための介入方法として、いわゆる認知行動療法的なアプローチが多いことも頷けます。ものごとの見方や捉え方を、より適応的な方向に近づけることは重要そうですね。

認知行動療法については、以前の記事でもご紹介していますので、よければご覧になってみてください。

 

www.tsudanuma-ridc.com

  

直接的にレジリエンスを高める方法とされているわけではありませんが、「⑩自分自身を大切にすること」に近づけるスキルをスキーマ療法からご紹介し、今回の記事を終えたいと思います。

 

スキーマ療法とは、認知行動療法から発展した統合的な心理療法です。

自分の過去と向き合う治療法のため、辛くなったときに自分で自分を助けるための安全なイメージをいくつか作って持っておくことが、治療の大事な一環として含まれています。

そんな“安全なイメージ作り”のポイントは、五感をフルに活用してイメージに浸ることです。

下にひとつご紹介しますので、ぜひ試してみてください。

 

 

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今回は、2回にわたりレジリエンスについてお話してきました。

レジリエンスについて調べる中で、この概念はわたしたちが日常的に生じるストレスや困難に対処できること、中長期的に幸福感を得ていくこととも密接に関わるもののように感じられました。

困難に直面しても回復できること・できた経験は、それ自体が自分の肯定感に繋がり得るとも考えられます。

みなさんが、ご自身の心のしなやかさについて考え、得ていくためのきっかけのひとつになれれば幸いです。

 

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