こんにちは。ライデックの齊藤です。皆様いかがお過ごしでしょうか。
まだまだ寒い日々が続きます。寒さ対策とともに、コロナ対策も引き続き意識して過ごしていきたいですね。
今日は、就労移行支援事業所でのプログラムについて書こうかと思います。私が就労移行支援に勤めていた当時の内容になりますが、現在の事業所でもいくつか似たような内容も実施されているのではないかと思います。今後、就労移行支援の利用を考えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
就労移行支援に関するブログを以前にも載せています。よろしければこちらもご覧下さい。
体力をつけ社会スキルを身につける
就労移行支援事業所の利用が開始すると、さっそく就職活動をしよう!という訳ではありません。先ずは事業所に通所することで体力を身につけていったり、訓練時間に間に合うよう到着するなど、生活リズムを整えていくことを目標とします。
基礎体力を構築していくと共に、事業所の雰囲気や他の利用者さんにも少しづつ慣れていきます。また、身だしなみ(エチケット)や自分の体調についても改めて考えたりもします。
例)身だしなみ・・・服装(袖・裾・襟など)は整っている?髪型やメイクは?爪は伸びすぎていない?
例)体調・・・生活リズムは安定している?自分の必要な睡眠時間はどのくらい?毎日の気分は何点?落ち込み安くなる時はどういう時?逆に気分が良くなる時は?不調のサインは?その時誰かにSOSが出せる?
自分の得意を見つけ・自分の進路を考える
定期的に通所ができ、自分の生活や体調も安定してくると、就労に向けた訓練により多く参加していきます。利用者の方複数名で行う集団ワークや、個人で取り組む個人ワークなど内容は様々です。
PCスキルや事務作業の向上に力を入れる方、むしろ手先を使ったり体を動かしたりする活動性のある内容を好む方、色々な訓練に参加することでどういったものが自分に合っているのかを見つけていきます。そしてそれは、就活の進路を見つけるきっかけにもなっていきます。
例)軽作業・・封入作業、備品の在庫確認、計量や袋詰作業、ピッキング
例)事務作業、PC作業・・データ入力、タイピング、資格取得への勉強(MOS検定、簿記、英検etc.)パワーポイントでの資料作成、電話応対、来客応対、
働くイメージを掴み、就職準備をする
就職に向けた訓練や就職のために身につけておきたいことを実践的に学んでいきます。これまでの訓練は引き続き参加できますが、メインはやはり就活に向けた準備になります。
働くイメージをつけるために、“企業実習への参加”を積極的に利用する方も多いです。就労移行支援事業所を離れ、事前に決めた日数・時間帯で企業にて仕事(実習)をします。もちろんスタッフも適宜同行し、見守り・支援をします。その他にも就労に関連した多くの事を学んでいきます。
例)尊敬語・謙譲語・丁寧語・・改めて学ぶ方が多いです。普段は何気なく使えていても、緊張すると意外と使い間違いが起こりやすいです。特に面接の時など。
例)ハローワーク(HW)利用・・利用するには登録が必要です。スタッフ同行で登録手続きをしたり、HWの利用方法(求人検索の仕方、相談窓口の活用等)を学びます。
例)履歴書作成・・学歴や職歴、趣味や特技、長所短所など基本的な情報をあらかじめまとめておきます。
例)面接練習・・スタッフが面接官となり、集団面接や個別面接など繰り返し練習をしていきます。面接のあとは一緒に振り返りをし、今後の面接に活かしていきます。
※また障害を開示して就職する際は、自分の障害についての説明や必要な配慮を企業に知ってもらう必要があります。履歴書にどのように書いたらよいか、面接でどのように伝えたらよいか、そういったことも用意しておきます。
就職活動をする
本格的な就職活動が始まります。就労移行支援事業所が独自に持っている求人に応募する方もいれば、ネットやハローワーク等で自分で求人検索をする方もいます。頻繁にHWに出向き、そこでの相談員と求人を探す方も多いです。
応募する企業が決まれば企業研究をします。「この企業はどういったことをしているのか?自分はそこで何をしたいのか?その企業に魅せられた理由(志望動機)、企業に質問したいことはあるか?」等々。企業研究の内容をもとに、履歴書や面接の準備をしていきます。
そして就活をする上で考えたいのは、「クローズでやるか」「オープンでやるか」です。つまり、自分の障害を非開示(クローズ)で就活をするか、開示(オープン)で就活をするか、ということです。それによって求人検索でも「一般雇用」か「障害者雇用」かに分かれてきます。どちらもメリット・デメリットはあるのですが、それについてはまたの機会にブログで書こうかと思います。
就職活動はエネルギーを使うもので、不安や心配を感じることも多いかと思います。
ですが一人で頑張りすぎずに、ぜひスタッフや他の就活中の利用者の方と協同で進んでいきましょう。お互いがお互いの刺激となったり、励まし合ったり、情報交換をしたりと、仲が深まっていく方たちもいます。
まとめ
就労移行支援事業所の数は、以前に比べてとても増えてきています。それ故、何を基準に決めればいいのか迷う方も多いです。気になる事業所があれば、一つではなくいくつか見学をしてみましょう。
事業所やスタッフの雰囲気、その事業所の強み、訓練内容、就職率、通える距離にあるか、等々。色々とリサーチをして、自分が通ってみたい!と思った事業所を見つけてくださいね。
それではまた。
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発達特性研究所 (RIDC: Research Institute of Developmental Characteristics)
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