こんにちは。ライデックの加藤です。
2022年が始まり早約1ケ月がおわりました。
コロナ禍になって約2年、もはやこの状況が日常にも感じます。
さて、年末になると発表されるユーキャン新語・流行語大賞。2021年は「リアル二刀流/ショータイム」が年間大賞を受賞し、アメリカで活躍しているプロ野球選手大谷翔平選手が話題となりました。その他トップテンには「うっせえわ」「親ガチャ」等が入りました。
さらに遡り、2020年の新語・流行語大賞にはどのようなものが選ばれていたか思い出せるでしょうか。大賞は「3密」。トップテンには「オンライン〇〇」「GoToキャンペーン」「アマビエ」等コロナ関連の用語が並びました。その中にコロナ禍で家にいる時間が増えたことでさらに流行を加速させたともいえる「愛の不時着」も含まれておりました。ご多分に洩れず私もはまった一人です。そこから延々とドラマを見続けること1年以上。動画配信サービス(VOD)ヘビーユーザーの私が今日ご紹介するのは「ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理士」です。「愛の不時着」北朝鮮兵4人組のうちの一人を演じたタン・ジュンサンさん(2003年生まれのとっても若い俳優さんです)が主演を務めています。
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全10話、各50分程度でほぼ1話完結型で見やすいドラマです。
父ハン・ジョンウと共に遺品整理の仕事をしているハン・グル。彼には発達障害があります。第1話で診断されているという描写があり、発語が遅く、両親がかなり心配したようです。どのような特徴が描かれているかというと主に以下3点です。
1.独特な口調
2.予定変更に対応することが難しくパニックを起こす
3.サヴァン症候群
父親の死やそれによって後見人候補となる初めて会う叔父との交流により人生が大きく変わっていくなか、ハン・グルは時に混乱しながらも大きく成長していきます。
話し方に特徴があって丁寧な敬語口調でいわゆるタメ口は使わず、(日本語でいうと~です!~です!~です!という感じです)順番や日々のルーチンにこだわるシーンが多くみられました。サヴァン症候群と思われる能力としては目で見た物を映像として覚えていられるようで、名刺や大量のレシートの内容、水族館の魚をすべて覚えていてケガをしている魚を指摘できたりといった驚異的な記憶力を持っています。
もちろんドラマですから都合よくハッピーエンドになる部分もありますが、ハン・グルは両親が早くに亡くなってしまう不幸もありながらも彼を支える周囲の人間に恵まれていることから、やはり環境はとても大切だと考えさせられます。彼自身もパニックになったときに自分を落ち着かせる術を知っており、自己理解も進んでいるようです。
Netflixには原則無料期間がないようで加入しないと見られませんが機会があればご覧ください。障害を持つ家族の在り方を描いている「サイコだけど大丈夫」もおすすめいたします。
映画「レインマン」や中居正広さんが演じたドラマ「ATARU」でもサヴァン症候群の主人公が描かれていましたが物語をドラマチックにするためでしょうか。サヴァン症候群の方のパーセンテージはかなり低いのではと思いますが日々当事者に関わっている医師にもそのあたり聞いてみたいです。というわけでライデック代表の松澤にも今回のドラマを見てもらいましたので感想も一緒にお願いして今回は終了といたします。
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代表松澤です。
表題のドラマは私もNetflixで視聴しました。1話完結型でテンポが良く、登場人物も魅力的で主人公設定も効いていますが、とても面白かったです。
一方で、これまでの他の多くのドラマと同様に、自閉スペクトラムを描く時のステレオタイプという印象も持ちます。知的で自閉的な特性を持っているのが一瞬でわかるような口調や独特のこだわり、予定外の現象が起きたときの対応の困難さ、そしてサヴァン的特徴。
「変わっているけれども能力がある」はとてもドラマを作りやすいキャラクター設定ですね。話は面白いし、非現実設定というわけでもないですが、世の圧倒的な自閉スペクトラム症者が、特別な能力を持っているわけではないわけです。
これからのドラマ脚本家の皆さんには、もっと微妙な、一見自閉的特徴を持っているのかな?と疑うような人を描いて欲しいなと個人的には思っています。周囲からはちゃんとは気づかれていないけれど、実は内面において定型社会の中で苦しんでいる、といった人が苦悩を抱いている。そして平均的能力の持ち主だけど自分なりの幸せな道を見つけていく、というような話はどうですかね。
まだまだ新型コロナとのおつきあいが続きそうです。皆様もお気をつけください。
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発達特性研究所 (RIDC: Research Institute of Developmental Characteristics)
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